カメラを購入してからしばらくすると、単焦点レンズに興味を持たれる方が多いと思います。
しかし、いざ単焦点レンズを購入しようと思っても、たくさん種類があるため迷ってしまうと思います。
特に初心者の方は次のようなお悩みがあるのではないでしょうか?
この記事ではキットレンズと比較しながら単焦点レンズのメリット・デメリットを解説します。
また、自分に合う単焦点レンズを選ぶためのポイントをご紹介します。
単焦点レンズの購入に迷っている方は、購入の参考にしてみてください。
単焦点レンズのメリット

単焦点レンズの主なメリットは次のとおりです。
キットレンズと比較しながら、詳しく説明していきます。
明るい写真が撮りやすい

単焦点レンズはキットレンズよりも明るい写真が撮りやすくなっています。
写真は「ISO感度」を上げると、レンズに入った光を増幅させて明るく撮影することができます。
しかし、ISO感度を高く上げすぎると、写真にザラザラとしたノイズが発生してしまいます。
単焦点レンズはレンズの直径を大きく設計しやすく、直径が大きい分より多くの光を取り込むことができます。
そのため、単焦点レンズはISO感度を過剰に上げなくても明るく撮影することができます。室内や暗所での撮影に向いています。
キットレンズは単焦点レンズと比べると、レンズの直径を大きく設計することができません。
明るい写真を撮りたいときは、単焦点レンズの方が適していると言えるでしょう。
背景のボケ感を活かした写真が撮りやすい

写真は「F値(絞り値)」を小さくする(絞り値を開く)とボケやすくなるという特徴があります。
単焦点レンズはF値を小さく設計しやすく、キットレンズよりも背景をぼけやすくすることができます。
背景のボケが被写体を際立たせてくれるので、ポートレートや草花の撮影に向いています。
キットレンズでもボケ感のある写真を撮ることはできますが、「もっとボケを強調させたい」という方は、単焦点レンズの方が適しています。
高画質な写真が撮れる

キットレンズは一般的にズーム機能がついています。
ズーム機能の構造上、レンズの枚数が多くなってしまうため、画質の向上が難しいとされています。
一方、単焦点レンズはズーム機能がありません。そのためレンズ枚数が少なく、画質の向上が可能となっています。
キットレンズよりもクリアで高画質な描写が実現できます。
比較的安価に手に入れやすい
1~3万円で購入できるレンズを、価格.comで調べてみました。
単焦点レンズの方が圧倒的に商品数が多く、各社から豊富なレンズが販売されていることが分かります。
ズームレンズは5~10万円の価格で、ようやく104製品がヒットしました。
単焦点レンズの方が初心者でも手を出しやすい価格帯で、高画質な写真を楽しむことができるでしょう。
単焦点レンズのデメリット

メリットの多い単焦点レンズですが、デメリットもあります。
ズームができない
最大のデメリットはズームができないことです。
キットレンズは手元でズームすることができますが、単焦点レンズは自分が動いて被写体に近づかなくてはいけません。
柔軟な構図変更ができないため、運動会や発表会、観光地など、被写体との距離が制限される場面では、思い通りの画角で写真を撮れない可能性があります。
一方で、自分の足で被写体との距離を調整するため、被写体との距離感を学べるという隠れたメリットもあります。
慣れるまでは不便に感じると思いますが、いい勉強にはなると思います。
レンズの付け替えが必要になる場面もある
自分で動いて被写体に近づくとしても、どうしても限界はあるため、付け替えが必要な場面が発生します。
しかし、複数のレンズを所持すると、レンズ交換時に誤って落としてしまったりシャッターチャンスを逃してしまうリスクがあります。
荷物が増えることで負担も大きくなりますので、注意しましょう。
購入する時のチェックポイント

ここからは、ご自身にピッタリのレンズの選び方をご紹介します。
あくまで私流ですが、次の3つのチェックポイントをレンズの選定基準にするといいでしょう。
撮りたい写真のイメージを具体的に思い浮かべる
単焦点レンズはズームができないため、焦点距離の選択が重要になってきます。
まずは撮りたい写真のイメージを、なるべく具体的に思い浮かべてみましょう。
- 山登りなどのアウトドアが好きだから、自然をダイナミックに映したい
- テーブルフォトや人物など、スナップ写真をたくさん撮りたい
- 鉄道や飛行機など、乗り物をメインに撮りたい
具体的なシーンを思い浮かべることで、撮りたいシーンに適した焦点距離を導き出すことができます。
先ほどの例では、自然をダイナミックに映すには、画角が広く多くの被写体を含めることができる広角レンズが向いています。
一方で、鉄道や飛行機などの乗り物は自由に近づくことができないため、遠くのものを大きく映すことができる望遠レンズが向いています。
スナップ撮影が多い、または撮りたいシーンが多岐にわたる場合は、様々なシーンに対応できる標準レンズが活躍できます。
撮りたいシーンが思い浮かばないときは、今まで撮った写真を見返して、一番多い撮影シーンに合わせて選べば失敗は少ないと思います。
規格に合ったレンズマウントに絞り込む
焦点距離が決まったらレンズ選びに入っていきますが、最初にお持ちのカメラに対応した規格のレンズマウントに絞り込みをしましょう。
マウントとは、カメラボディとレンズの装着部分のことです。カメラとレンズそれぞれのマウントの規格が違うと、装着できません。
誤って規格が合わないレンズを購入しないよう、最初にレンズマウントの絞り込みを行ってからレンズの選択をするのがいいでしょう。
購入前にレンタルで使用感を確かめる
購入したいレンズが決まったら、購入前にレンタルで使用感を確かめることをおすすめします。
特にカメラを始めたばかりだと、「焦点距離が50mm」「F値が1.8」と言われても撮影のイメージがしにくいと思います。
また、レンズの画角は焦点距離によって広角・標準・望遠に分類されていますが、さらに次のように細分化されています。
- 超広角:20mm以下
- 広角 :35mm以下
- 標準 :50mm前後
- 中望遠:70mm~135mm
- 望遠 :80mm以上
- 超望遠:300mm以上
初心者の方は、撮影したいシーンに最適な焦点距離がどれに該当するか、迷ってしまうと思います。
そこで、購入前にレンタルで実際に撮影してみることで、それぞれのレンズのイメージや特性を実感することができます。
レンタル料金がかかる分、お金はかかってしまいますが、購入してから「失敗した…」と後悔するより全然マシだと思います。
私も購入前にレンタルをしましたが、イメージしていた画角と違っていたので、購入前に確認できてよかったと思いました。
まとめ

単焦点レンズはキットレンズよりも画質が良く、初心者の方でも扱いやすいため初めてのレンズ購入に適しています。
私は標準の単焦点レンズを購入しましたが、自分の撮りたいシチュエーションに合わせてレンズを選んでみてください。
購入前にはレンタルで一度試してみることで、購入の失敗リスクを低減することができるので、ぜひ利用してみてください。
コメント